2017年12月17日日曜日

”今日という日は、今日しか来ん。” - ちゃんと食べとる? – 食べて語ろう会 (著),‎ 中本忠子 (著)

ちゃんと食べとる?  – 食べて語ろう会 (著),‎ 中本忠子 (著)

我が家ではTVが映らない事もあって、
正直言うと、友人が作った本という位しか前情報無く読み始めました。

上の写真だと、分からないですが
ハードカバーに中本さんの写真の帯が付いているという
装丁になっていて、そこからも丁寧な作りが感じられます。

本文では、中本さんの言葉、それに関する文章、
そして、とてもシンプルでどこか懐かしいメニューのレシピという
構成になっています。


”ご飯食べれば、悪いことやめられる?”


流石に、僕は普通に会社勤めをしていて、それなりの生活をしているので
お腹がすいたからと言って、悪い事をしたりすることはありません。
しかしながら結婚当初、妻と言い争いになる時は、
決まってお腹がすいている時だったという事を思い出しました。

やはり、人間お腹がすくと殺伐としたり、冷静な判断を下す事が
出来なくなってしまうようです。
その事に気づいてからは、お腹がすいている時は、極力料理に集中して
お腹を満たしてから、話をするようになりました。

本の帯にもある通り。この本では中本さんが

”居場所のない少年たちに、ごはんを作り続けてきた、
 ばっちゃんが綴る料理詩集。”

という事に、なっていますが
そこに綴られている言葉やメッセージは、
人生100年時代を生きぬく全ての人へのメッセージだと感じました。

と云う訳で、著者や編集者の想いとは異なるかもしれませんが、
自分なりにこの本を受け取って見る事にしました。


”今日という日は、今日しか来ん。”


今日の積み重ねが、未来であり、今日なくては明日は来ないのです。
すごく瑣末な話ですが、僕が小学生の頃に
外国人の方がホームステイで僕の実家にやってきたのです。
それ自体は、まあ、小学生の自分にとってはどうでも良い出来事なのですが、
よりによって、楽しみにしていた遠足の前の日に。

僕にはやけに厳しい両親は、遠足のおやつを買いに行く事よりも
その外国人のウェルカムパーティーに家族で参加する事を
優先されてしまいました。

当時は、コンビニもありませんでしたし、スーパーも9時には閉店していました。
僕としては、スーパーが閉まってしまうのではないかと気が気では無い訳です。

「いつ、終わるの?」
「先に僕だけ、駅に送って行ってくれない?」

何度となく、両親に尋ねていた僕に父親が激怒し、
パーティー会場から外に連れ出され、烈火の如く叱られたのを覚えています。

その後、何とか間に合って、スーパーには連れて行って貰えたものの
閉店ギリギリで、「早く選びなさい!」と急かされながら、おやつを買うなんて
なんの楽しみもありませんでした。

遠足のおやつっていうのは、友達とあれこれ

「俺これ買うから、お前これ買えよ。明日交換しようぜ。」
「やべ、ちょっとオーバーしちゃった。まじいかな?」

とか言いながら、買うもので
閉店間際のスーパーに飛び込んで急いで買うものでは無いです。

こんな瑣末な事例ではありますが、42歳になった今でも
たまに思いだされる。
今日と云う日は、今日しか来ないという話です。


”食べることと居場所。
 自分におうた居場所が必要なんかな。”


先日、岸勇希×箕輪厚介「誰かを、奮い立たせる編集。」 で岸さんも言ってましたが

”あらゆる感情の中で、人を殺す事を出来る感情は 孤独。”

居場所が無いというのは、兎にも角にも辛いものです。
これは、必ずしも物理的な話に限らず、
例えば会社においても、異動したて、転職したてで
上手く自分のバリューを発揮出来ずに、
居場所を確立出来ないというのは、非常にしんどいですね。

僕自身もそういう経験をしてきたからこそ、言えるのは
そんなときこそ、「挨拶」、「雑談」、「感謝」 この3つが非常に嬉しいです。

「おはよう!どう慣れた?そういえば、この間のアレありがとうね」

この言葉にどれだけ救われた事か。

こんな言葉がかけてもらえないような場所には逆に長く居るべきでは
無いんだと思います。


”自分がね、人から言われて嫌なことは
 相手にも言っちゃいけんと思う”



”キリスト教の方では、「自分がして欲しいことを、人にもしなさい」
と教えているが、孔子は
「自分がして欲しくないことは、他人にもしない」”

とありました。これによると、中本さん は孔子に近いという事ですね。
実際、キリストの「自分がして欲しいことを、人にもしなさい」というのは
性別や性格により、難しいところもあります。

再び、私ごとですが、妻は何かと「大丈夫?」と聞かれたいようですが、
僕の場合、「大丈夫?」と聞かれるのが、すごく厭なのです。
なんとなく、不安を与えているような気がして。
なので、言われたくない。

でも、自分が厭な事は基本言わなかったら良いと思うんです。
そのうえで、言って欲しい事であれば、そこの細かいチューニングは
お互いの意識を合わせる事でなんとかなるかなと。
なんか、気難しいおじさんのようですが、
ここはとても大事な事だと結婚して気付く事が出来ました。


”感動は、日々の積み重ねがあってこそ。”


出来ない事が、苦労の末出来るようになる。これが感動を生む訳です。
なんかやってみたら、出来ちゃったでは、当然感動も生まれません。

今、息子と一緒にNintendo Switchでスーパーマリオオデッセイをやってるのですが、
なんなく、1回でクリア出来た所は、やはり感動は無いです。

苦労して、試行錯誤して、失敗しまくって、やっと出来た!
と云う時にこそ、大きい声が出たり、ハイタッチしたりするものです。

それが、「絶対ムリ!どんなムリゲーだよ!!」っていうのが高い程
実際に出来た時の感動が大きくなります。

息子とゲームをしながら、単純に楽しんでいるだけでなく

「いつかこの経験を実体験で上手くいかなかった時、思いだしてくれればいいな」

とか、思うようになったのは、親になったという事のなのでしょうか。



”ここまで成長すればね、大丈夫よ。”
”みんな、すごいかわいいじゃんね。”
”どこかで、負の連鎖を止めてやりたい。”


事業戦略として、自部門のプロダクトを見ている(管理している)と

最初は、すごく小さくて、上手くいくかどうかも分らんかったけど
なんとなく、可能性を感じて、時間をかけて、労力をかけて
ある程度の規模が出てくると、

「ここまでくれば、あとは任せてしまっても大丈夫だろう。」

と 、いう段階に来る時もあります。
一方で、中々ブレイクスルー出来ずにコストばかり嵩んでいってしまうことも。
そんな時は、

「どこかで、この負の連鎖を止めたい。止めなくては。」

と思って、時間や労力を割いていく訳です。

結果、上手くいかない事も多々ありますが
やっぱり、どれもこれも、それなりに愛着もあるし、可愛いものです。

そういう意味では、中本さんにしてみると、子ども達はみんな
自分の子どものようなものなのかもしれません。


”生まれた家庭を変えることはできない
 でも、生き方は変える事が出来るじゃん”


ビルゲイツは

「貧しく生まれるのは君のせいじゃないが、
 貧しく死ぬようなら君のせいだ。」

 と云いました。

最近よく考える、「平等と公平」ということ。

生まれた環境は、決して「公平」ではありません。
むしろ、非常に「不公平」なもので、同じ人間だとしても
1歳まで生きられない事や、まともに勉強する事が出来ない環境も。

そんな中で、全ての人に「平等」に与えられた時間。
この時間をどう使うか?というのが、
中本さんの言うところの「生き方」
ビルゲイツの言うところの、「死ぬ」
ということかと。

また、ビルゲイツの言っている「貧しく」というのは
決して、金銭的な面だけでの話ではなく、
共感や好意、人脈、何をしてきたかといったものも指している
のではないかと思います。


”出会いによったら人生すごく変わってくるんじゃけん
 そういうふうなのを大事にして”


働く君に伝えたい「お金」の教養 – 出口 治明 の中で
「人・本・旅」は、「人生を豊かにしてくれる3本柱」と述べられています。

僕自身、社会人になってから殆ど旅に行く機会は少なくなりましたが、
かれこれ20年以上前、学生の頃にバックパックで
タイ~シンガポール~香港を回ったのは、とても良い経験でした。

中でも、タイに行った際にサムイ島のビーチで独りで海を観ていたら
一人の白人おじさんが話しかけて来た事は、今でも良く覚えています。

見るからに、優しそうなお父さんで
リゾート地のビーチにふさわしく、のんびりとした雰囲気を醸し出しながら
ゆっくりと彼は、話し始めました。

「やあ!元気かい?とてもいい天気だね。
 この島には一人で来たのかい?友人とか?それは、素晴らしい。

 僕は、友達家族と一緒に来たんだ。
 あそこに遊んでいる子どもたちが見えるだろう。
 男の子が僕の息子で、小さい女の子が友達の娘だ。

 妻は来ていない。国でお留守番だ。
 きっと、あちらはあちらで楽しくやっているよ。
 
 ちょっと、複雑な話なんだが僕らはゲイなんだ。意味分かるか?

 まあ、分からなくてもいいや。
 お互いそれぞれ、妻がいて家族がいる。でも、僕らは愛し合っている。
 一時のバカンスって訳だ。
 
 勝手に喋ってしまって悪かったな。そろそろ行くよ。良いお休みを!」

何故、彼がタイのビーチで偶然出会った日本人の若者にこんな話をしたのか
偶然出会った日本人だからこそ、ぽろっと話をしてしまったのかも知れない。
そもそも、英語を良く分からないだろうと思って話したら、
意外にも僕が理解できてしまったのかもしれない。

それでも、
「人はそれぞれ、外から見ただけでは分からない悩みや問題を抱えているんだよ」
という事を教えてもらった出来事でした。

この話は、旅の話ですが、同様に人との出会い、本との出会いで
考え方が変わったり、人生が変わったりすることは十分ありますね。
この本の最後でも、ばっちゃんのもとから巣立っていった子どもの一人である
ゆうたくんの話も出ています。

僕が、この文章を書く事で誰かがこの本を手に取るきっかけに。
そのきっかけで、誰かが誰かに紹介するきっかけに。
そして、誰かの誰かの人生が変わるきっかけになれば良いなと思います。


”ばっちゃんは、言葉では多くを語りません”


この本の表4では、こうしめられています。
この事を逆にとって、自分なりに拡げて受け取って見ました。

小鳥書房の落合さんから、「そういうことではないんですよ。」
と言われてしまうかもしれませんが、
それは、それでまたお話を聞かせて頂けると嬉しいです。

ちゃんと食べとる?  – 食べて語ろう会 (著),‎ 中本忠子 (著)


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