2016年4月16日土曜日

楠木建 「長期利益の源泉を考える:オポチュニティとクオリティ」を聞いて来た



楠木建 「長期利益の源泉を考える:オポチュニティとクオリティ」を聞いて来ました。

会社で、半期に1回、本講座の内の一つを聴けるというもので、
今までにも、佐々木圭一さんや川村 元気さんのお話を聞いてきました。

個人的な今期の目玉は、
『世界の経営学者はいま何を考えているのか』 の入山 章栄 さんと楠木先生
だったのですが、ここは先日、「好き、嫌いと経営」 を読んだばかりだし、
楠木先生のお話を聞いてみたい!と楠木先生を選択しました。

黒いハイネックのカットソーに黒のジャケット、ジーンズに黒のブーツと
ややカジュアル目の服装で、登場し、紹介した女性のオポチュニティとクオリティの
イントネーションを軽く且つ上品にいじって場を温めながらお話が始まりました。

ホント、ところどころ、面白い話題を挟みつつスライドもテンポよく流れて
楽しい2時間でした。
一橋の学生は普通に授業で先生のお話を聞いているんだと思うと羨ましいです。
今度、大学の授業とか忍び込んでみようかな。


-- 以下 聴講メモ -----------


・企業における戦略のゴールは?
 1.利益 = 極大化すべき目標
 2.顧客満足 = 追求すべき目的

・各国のROEを比較すると、、日本5.3%、米国22.6%、欧州15.0%
 但し、ROEを分解すると、

 ROE = 稼ぐ力(当期利益率)×効率性(総資産回転率)×負債の利用度(財務レバレッジ)
 
 総資産回転率と財務レバレッジには大差はない

 ⇒ 課題は事業の 「稼ぐ力」

・「 儲ける 」
 - ファーストリテイリング年度方針
 - 松下幸之助の基本方針(1965)

・オポチュニティ企業(事業)とクオリティ企業(事業)
 - 会社はフィクション、稼ぐ力は「事業」にある

・オポチュニティ企業
 - 稼ぐ力の源泉は、外部環境
 - 本社レベルでの戦略的選択がカギ
 - 先行者利益と規模の経済

 例)Sony、TOSHIBA、SoftBank、Voyage Group

・何故、日本の企業は投資に弱いのか?
 - 過去を無かった事にする事が出来ない
  中々、損きりが出来ない

・クオリティ企業
 - 成熟経済の主役
 - 稼ぐ力の源泉は、企業内部で創るクオリティ
 - 差別化された顧客価値

 例) kakaku.com、dwango、zozo、subaru、ほぼ日

 □ ほぼ日
 - ニュースを追わず、日常の動機を発信
 - 人々が停滞するコミュニティ
 - 動機の継続的なやりとり
 - 動機を形にした、自社商品の展開
 :
 :
 - 長期利益の源泉

 □ IBJ(婚活・結婚支援サービス)
 - 今までの婚活サービスはマッチングでの課金だった(成婚は??)
 - 結婚カップルの平均出生率 1.9
  →成婚すれば、子どもが生まれる確立が上がる
 - 少子化対策に取り組むには、成婚率を上げること

 ⇒ 単純にオポチュニティを取りに行かず、独自の価値をしっかり作る

・レッドオーシャン vs ブルーオーシャン
 - 現在では、ブルーオーシャンも一瞬でレッド化してしまう
 - それであれば、オポチュニティ市場の日陰を狙う

 □ 中川政七商店
 - インバウンドお土産市場 ( 食品 7割 )
 - 残り3割はくだらないモノ
 - 伝統工芸と組み合わせ、質の良いモノを提供してみる

 □ ユニクロ
 - ファッション業界は、当たるも八卦、当たらぬも八卦
 - で、あれば・・状況をみて作ろう!ZARA、H&M
 - 変化の無いものを、素材含めて考えてみた(HeatTech)

 □ ガリバー
 - 従来の中古車業者は、個人からの仕入後3ヶ月程店頭販売を行う
 - しかし、3割程度しか売れず7割は、オークションへ
 - だったら、購入後展示なし10日程度でオークションへ全て売る
 - 在庫期間を短くし、直ぐに売るので店舗は狭くても良い

⇒ 飛び道具を探さない。
  見て見ないフリをしている、矛盾を直視する


戦略は未来への「意志」
「こうなるだろう」ではなく、「こうしよう」

「誘引(incentive)」 より 「動因(driver)」


■ Q&A
Q:花王は、オポチュニティ企業か?
A:そもそも、企業でなく事業で考える。
 そう、考えるとコモディティ商品の中で独自価値を作れているのでは?

Q:長期的な利益とは
A:今の市場に応じて、ポートフォリオを組み替えていく。
  どんな企業も最初はベンチャー

Q:Sonyのようなサラリーマン経営者はどうしていけばよいか?
A:会社全体での意思統一は不要。
 分社化を推し進め、事業ベースで勝負をしていく。本社の経営企画は不要。
 判断基準、評価など、今までと違ったことをする。
 やらざるを得ないと考えない

Q;好きなようにするとは?「興味」と「強み」の組み合わせとは
A:皆と同じ事をする以上、価値は「0」。違う事をする。

Q:オポチュニティは時流だとすると、クオリティを創る戦略とは
A:矛盾を直視する

Q:例えば、電力自由化における日陰とは
A:どうバリエーションを出して行くか?嫌われる人を作るか?
 例えば、すごく安いんだけど、偶に止まる。電圧が安定しないなど。




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