いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学 – センディル・ ムッライナタン (著), エルダー・ シャフィール (著), 大田 直子 (翻訳)
先日、とある財団法人の方とお話させていただいた際に、
「今の自分の会社だと、プロジェクトは大抵デスマーチするのに、
御社では、似たようなプロジェクトに取り組んでいるのに、
残業時間も少なく、有給の消化率が高いのは何故でしょうか?」
と、尋ねてみました。
逆に、「なんでデスマーチ化しちゃうんですか?」って聞かれてしまうかと
思ったのですが、
「会社としての考え方の違いだと思います。
みなさん、高給の中で会社が無理な働き方を強いても其れに応じてくれますが
我々みたいな団体はそうはいきません。
個々人のモチベーションをどうやって維持するかというのは、
多分一般企業より気を使わなくてはいけないところなのだと考えています」
というような、回答を頂いてこの本を思い出しました。
(高給を支払うためには、仕事をもっとこなさなくては成らず)
足りないから、もっともっととなってしまい結果デスマーチ化する状態。
本書では、ジャグリングと表現されていますが、
その無限ループから抜け出すことが大事だというメッセージを受け取りました。
欠乏が欠乏を生む
欠乏状態で生まれる
「集中ボーナス」 ( 期限が迫ってくると効率があがる )
「トンネリング税」 ( トンネルの内側は鮮明に見えるが、外は見えなくなる )
について記載されています。
つまり、この仕事を片つける事には集中できるが、
集中することで、欠乏状態になり、近視眼的になるため、目先の事しか見えなくなる
よって他の事がおざなりになる。
心配事は処理能力へ負荷を与える
”さながら、バックグラウンドで開いているプログラムのせいで
動きがおそくなったコンピューターのよう”
・不注意、忘れる、間違い といったミスを引き起こす
・貧困層がなぜ貧困状態から抜けられないのか?
→病気、騒音、栄養不足 といった問題が彼らの処理能力に負荷をかける
・判断が鈍り、パフォーマンスも上がらず、結果スキル不足状態が続く
スラック(ゆるみ、たるみ)を持つこと
・スラックがあることで、豊かさを感じる
・緩衝となる蓄えを築いておく必要がある ⇒ 対欠乏性
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